なんでBiS2期が解散したのかがようやく理解できた話
BiSというアイドルがいた.いや,今もメンバーが代わって活動はしているんだけど.
今活動しているのはいわゆる3期というやつで,これはこれで好きなんだけど,僕が話したいのは春に解散した2期のことだ.
1期があって,何年に活動を始めて,メンバーに誰がいてとかは気になったら調べてください.本題じゃないので.
んで,そのBiS2期.
解散した時にプロデューサーの渡辺氏が「俺には俺の解散しなければいけない理由がありました。」と述べていた(参照 : https://natalie.mu/music/news/331063)
僕がBiS2期を本格的に見始めたのが咋冬のことで,数ヶ月後の春には解散してしまったので,まあ,超絶にわかではあるのだが,BiSにはめちゃくちゃいい曲がたくさんあって,色々と熱いストーリー性があって,何で解散するのか一向に理解できなかった.
だって...
この辺とか
この辺とか
超良くないですか??
こんだけ良い曲持ってて,魅力的なメンバーがいて,それでも渡辺さんは「解散しなければいけない理由がありました。」と言う.
当時は理解に苦しみました.
しかし,とある記事を読んで,何で解散しなければいけなかったのか.渡辺さんがBiSに何を思っていたのかが納得いきました.
この記事.BiSの所属事務所wackの行なったオーディション合宿にフォーカスして作られたドキュメンタリー映画のインタビュー記事なんですけど,その映画で焦点が当てられているのが,メンバーの何名かが”戦力外”を言い渡されオーディション合宿に参加することとなり,解散の危機を迎えるBiSである.
というか,内容に関しては一旦記事を読んでいただいてですね.
なるほどな,と思ったのは
自分が何もしなくても、事務所がいつかヒロインにしてくれると思っている
という,オーディションを受けにきた女の子に対する評や
悔しかったですね。話し合いを重ねてきて最終的にはわかってくれると思ってたし、合宿でも1週間話し続けたことを、何1つじゃないのかもしれないけど、理解してもらえなくて。合宿に参加したBiSメンバーには、“今は確かにBiS脱退がかかる状況だけど、お前らも合宿を経てBiSに入ってきて、当時先輩メンバーたちは自分たちのことしか考えてないってことはなかったでしょ? だから、BiSのことだけじゃなくて、オーディション参加者のことを考えてあげて、彼女たちにやっぱりBiSっていいグループなんだ、BiSに入りたいなって思ってもらえることの方が大事でしょ”って言ったのに、最終PRで“BiSを解散させない!”とか言い出して、“ええええ!? 嘘だろ”みたいな(笑)。あそこで、心が折れましたね。やっぱりまわりの人たちも、自分のことだけを考えている子のために何かをしようとは思わないじゃないですか。彼女たちはそこを履き違えたと言うか。
という,BiS解散を決意したであろう出来事.
この合宿に行くことになったのは,”戦力外通告”されたメンバー.
渡辺さんは合宿を通してなぜ戦力外になったのか,考えて成長してほしかったのだろう.
”戦力外”をなったメンバーはメンバーの中でもトップクラスに歌唱力が高いメンバーやルックスの良いメンバーもいた.なんで?というファンの意見は数多くあった.同時期に行われていた「BiS.LEAGUE」という人気投票で上位に入っているメンバーも戦力外になった.
ここに渡辺さんが求めるアイドルに必要なものが何なのかと言うのが現れているのだと思う.
歌唱力でも,ルックスでも,ファンからの人気でもない,
グループのことを想い,自分達でこのグループを押し上げていこうという気概なのだろう.
どれだけ可愛くても,歌が上手くても,現状それなりにファンがいても,
その気持ちがなければこれ以上先にはいけない.
そう判断しての解散なのだと,半年を経て理解することができた.
余談だが,AKBの盛者必衰ぶりもここにあると思う.
前田敦子や大島優子を筆頭に総選挙という話題性のあるイベントで名を知らしめていった.
しかし,いつしか話題作りの手段であった総選挙は,メンバーの目標となり,メンバーはAKBグループ内で自分の順位を上げることを目標とするようになった.
渡辺氏のいう自分のことしか考えられない女の子になってしまったのだ.
閑話休題.
しかし,渡辺さんの求めるものというのはあまりにも,高い.
本人が
自分らしくいることはすべてが正解じゃない。もちろん自分らしさを出す努力は必要だけど、いろんなものを我慢した上で、最終的に自分を出さなくてはいけない。それは昔の僕も理解できていなかったことなので、もちろん彼女たちも理解できないていないと思いますよ
というくらいだ.ハタチかそこらの小娘に求めるにはあまりにも難しい要求だ.
でも,アイドルとしてやっていきたいんだったらそれくらいの精神力を持てといっているのだ.
wackのアイドルのオタクの中にも「wackは好きだけど渡辺氏は好きじゃない」という人は多いように思う.Twitterとかでエゴサすると良くわかると思う.
まあ,気持ちはわからんではない.厳しい人だし,それを隠そうとしないからね.プロデューサーの立場で好き勝手しているようにも見える.
けど,それは全て信念があっての行動だろう.渡辺さんなりのこうしたら売れるという思いがあってのことだ.ストイックに何かを成し得る為に甘えを許さないタイプの人というだけだ.
それに,彼は優しいと思う.
実際に戦力外として事務所の契約から外れたメンバーのうち芸能活動を続けたいというメンバーには新たに所属事務所を探してあげているし,元メンバーの一人はこの間バーをオープンした,出店に当たって渡辺さんが相当力添えしたようだ.
インタビューではあそこまで彼女らを見限るようなことを言っておきながら,最後までしっかり面倒を見ている.渡辺氏はアイドルに対して愛がない,みたいなことを言っているオタクはこの辺までしっかり見た上で発言したほうがいいと思うぞ.
結局,何を言いたかったのかというと,
この気概の部分が社会人である僕にめちゃくちゃ刺さったという話だ.
どこか,この会社で与えられた仕事をこなしていれば,成長できて,給料が上がっていっぱしの社会人になれると思っていた.
でも,それじゃ未来はないのだ,僕が今携わっているプロダクトを良くしていかなければいけないし,ひいてはそれを通して会社を大きくしていかなければいけない.
それはどんな規模の会社でもそうなのだ.
大きくて人数の多い会社に入ったのですっかり忘れていたが,この気持ちを持ち続けなければ自分の成長など望めない.
さて,僕に社会人としての新たな決意をさせてくれたこの映画だが,
僕は見に行かないと思う.
推していたアイドルがダメだと言われる映像なんか見にいきたくない.
追記.
BiS2期のアヤ・エイトプリンスとGang Paradeのヤママチミキが渡辺さんと面談してる動画がYouTubeに上がってるんだけど,見比べると中々おもしろい.
ヤママチミキは自分が何を求められていて,どういう意図で何をしなきゃいけないのかを明確に考えててて,それを渡辺さんの前でしっかり言語化して伝えられているんだなってのがわかる.
社会人として絶対優秀.一緒に働きたいもん,こう言う人.
一方アヤプリは言ってることがコロコロ変わるし,その場しのぎの受け答えばっかりで,普段からあんまり考えてないんだろうなあって感じがする.だからとっさに聞かれても何も出てこない.
顔はめちゃくちゃ美人,好き.歌もめっちゃ上手い.けど,アイドルに大事なのってそう言うことじゃないんだろうなってのを実感した.